突然、ミッションをシフトしても無反応…ということで入庫した、W211後期ベンツEクラス
ミッションは、300C/マグナム系V8にも採用された722.6(NAG1)型5速ATの進化系、722.9(NAG2)電子制御式7速ATミッション(後退2速)
実はこの7速AT、ミッションのエレクトリカル部がトラブルを起こしてエマージェンシーモードになると、ミッションのシフトが入らなくなるという…(5速ATは2速ホールド)
テスターで診断すると、ATのCPUと通信エラー…ユニット電源は問題ないので、とりあえずはATのコンピューター不良
実はこの7速AT…
ミッションのコンピューター(VGS)がミッション内部のバルブボディに装着された、完全一体式ユニット内臓ミッション
なので7速ATの場合は、エレクトリカルの不良=VGSバルブボディAssy交換
しかも7速のVGSバルブボディは、メーカーの外販禁止指定部品になっていて、基本部品としての供給は一般にはされない….
…ですが、当社にて入手できました
さらに難関はこのVGSバルブボディ、交換しただけでは作動せず、現車に装着後のプログラミングが必要
そのプログラミングもドイツ本国メーカーサイトにテスターでアクセスして、オンラインでのプログラミングによる作動開始の実行(SCNプログラム)が必要
もちろんメーカーへのアクセスライセンスがなければ無理なので、事実上ディーラー以外では不可能と…(部品の供給及びプログラムの双方の課題によって)
ですが、当社内にてSCNプログラムの実行により作動開始完了
無事VGSも起動し、ATのユニットも正常に作動
ただ残念なことに、ユニットが作動してシフトが入りだしてから分かる、本体ハイドロ部の滑りによるメカニカル部の故障も判明
これらのATトラブルの原因は、ATFの交換サイクルによるケースが多く、特に7速ATはメーカー推奨5万キロ毎にての交換…ですが、7速は5速に比べて変速回数は多く(バックも2速あります)ATFの劣化も激しいので、もっと短いサイクルでの交換が理想
そのATF交換も、定められた油温管理によるオーバーフロー式なので、事実上専用テスターがなければ不可能
722.9(NAG2)型7速ATのミッショントラブルは、センサー等の全てがこのVGSバルブボディ内になるので、ATFメンテナンスを怠ると…えらい目に会います
*当社でご購入されたお車以外でも修理/車検等承っておりますので お気軽にご相談ください
また業者様も大歓迎です 各種専用テスター完備/各車種整備マニュアルロム完備
アーバンガレージ TEL 072-638-5579 まで まずはお電話を