先週にご報告した（https://ug-jpn.com/2017/07/27/15179/）、06yリンカーンナビゲーターの続編です。
エンジンの出力不足及び異音にて、動弁系を確認すると、右バンクカムシャフトの磨耗損傷が酷く、交換が必要。
もちろん、ロッカーアーム及びリフターも…おそらく今回の原因として考えられるシナリオは、リフターの油圧保持不良によりタペットクリアランスが通常よりも過大になり、そのまま状況が更に進行してカムシャフトの磨耗損傷へと進行…。
シリンダーヘッドに取り付けられるカムシャフトは、吸気及び排気バルブを駆動させ、エンジンの出力特性に最も影響を及ぼす部位のひとつ。
クランクシャフトとチェーンで連動し、適正なタイミングで各バルブを作用させる部品です。
このカム山の形状で、バルブの作用角度及びリフト量が決定するのですが、磨耗すると適正なバルブの作動に影響を及ぼし、結果「出力不足」や「異音」といった不具合が発生します。
俗に言う「タペット調整」とは、このカム山とロッカーアームとのクリアランス調整を意味し、リフト作用をしていない状態で例えば機械式タペットであれば0.25～0.35mmというようなシビアな数値が求められます。（メーカーにより数値及び測定法は変わります また昨今の油圧式では機械式調整はありません）
この数値からも分かるように、今回のカムの明らかな磨耗損傷痕が、エンジンの出力及び異音に大きく影響をうけるのがご理解いただけるかと思います。
今回のナビゲーターでは、ロッカーアーム及び各リフターの他、損傷した右バンクカムシャフトも新品部品を取り寄せ交換/調整作業を行い無事完成。
こういった動弁系の損傷は、例えば定期的なエンジンオイル交換を怠ると発生する確率は高くなります。
また使用するエンジンオイルのグレード及び粘度等にも気を配っていただき、信頼できるオイルメーカーのオイルを選択すべきです。
「エンジンオイルなんて安物でもマメに替えてれば大丈夫」という安易な考え方は、昨今の高性能エンジンでは最も危険な過ちです。
UG/yoshida
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