駐車場からハンドルをきって車を動かしたと同時に大きな異音が発生し、その直後に左フロントタイヤが「あり得ない方向」に傾いて自走不能に陥った、96yシボレーアストロの修理です。
「あり得ない方向」に向いてしまったその原因は、左フロントのロアボールジョイントが外れて、ロアアームとナックルアームが分離状態。
ボールジョイントの磨耗限界を超え、ボール部が外れてしまっています。
人間で言えば関節が外れた状態と同じなので、アームが分離したことによりタイヤを路面に接地出来る状態ではありません。
専用のツールを使用して、圧入されているボールジョイントの打ち替え作業。
通常は画像のように、テーパー状の本体に球体であるボール部が、裏から嵌められています。
アストロ等ではグリスニップルが装着されているので、定期的なグリスアップである程度の磨耗進行は抑制できますが、機械的な寿命は存在します。
ガタが確認できる場合はもちろん交換が必要ですが、そうでない場合でも走行距離や使用年数に応じて交換が必要です。
今回のアストロでは破損した左ロアボールジョイントだけでなく、フロントサスペンションを構成する全てのボールジョイント部をリフレッシュ。
…もし高速道路を走行中に、このようなトラブルが発生したら…生死にかかわる大事故にも成りかねないので、必ず定期的な点検と 年数/距離に応じて予防交換を怠らぬよう注意が必要です。
サスペンションを組み上げた後の試運転にて…残念ながらアーム分離による損傷は、ABSまで被害が及んでいました。
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