圧縮不良にて、分解/点検中の、キャデラックエスカレードのシリンダーヘッドです。
ピストンで圧縮された混合気を、「一番おいしいタイミング」で爆発させてパワーを得る為に、カムシャフトで駆動されるIN/EXバルブの役目は重要です。
吸入工程でより多くの混合気をシリンダー内に吸入するために、インテークバルブをしっかり開き、そして圧縮工程にて上死点で確実にバルブを閉めて、燃焼室内で圧縮された混合気をプラグにて着火して爆発。
シリンダーヘッド燃焼室内のバルブフェイスが当たる箇所には、バルブが閉じた時の気密性保持を目的とした、シートリングが装着されています。
このシートリングが磨耗したりしてくると、バルブの気密保持ができなくなり、圧縮を保てない＝エンジン不調という要因にもなります。
また今回のインテークバルブのように、バルブフェイスのシートリングと当たる箇所に、僅かな損傷…たったコレだけの原因で、エンジンの調子は…です。
この状態だと、バルブは新品に交換して、再度シートリングを含めた内燃機加工による当たり面のカット（シートカット）が必要です。
例えば2000rpmで走行していると仮定すれば、たったの1秒間にクランクシャフトは約33回転以上。
4ストロークの自動車エンジンでは、バルブの上下運動は、たった1秒間に約16回以上…最も高温にさらされている燃焼室内で、それだけの過酷な仕事をしているので、距離も増えればやはりこういったトラブルが発生する可能性も増えてきます。
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