点検整備でお預かりしている、F10型BMW M5です。
M5としては5代目にあたる最新モデルのF10型は、4.4リッターV8DOHCエンジンにツインスクロールツインターボを搭載し、その公表馬力は560ps。
ミッションは7速のデュアルクラッチ式トランスミッション(DCT)で変速を行い、0-100km/h加速性能は4.3秒というスペック。
今回の作業入庫のきっかけは、ディスプレイ上にブレーキ磨耗の表示メッセージ。
M5のように一般車に比べ、よりハイスペックな車両では、特にブレーキ性能の維持は重要な項目となります。
M5に採用されているビックブレーキは、ブレンボ製の6ポッドキャリパー。
より高剛性を求め、ディスクパッド交換に対するメンテナンスエリアが存在しない、一体型キャリパー。
なのでディスクパッド交換の際は、キャリパーAssyをディスクから取外す必要性があります。
6ポッド化により、巨大な制動面積を確保しているディスクパッド。
2リッター以下クラス国産車の、実に倍くらいの面積はありそうです。
注意しなければならないのは、リアのブレーキメンテナンス。
電子式サイドブレーキを有したキャリパーになるので、ディスクパッド交換の際はテスターを接続して解除する必要があります。
テスターにてメンテナンスモードにて解除を行い、念のため車両側のカプラー端子も外しておきます。
交換作業後は、再びテスターによる作動モードへの選択が必要。
またBMWでは、ブレーキパッド磨耗による警告が点灯した場合、センサー等の交換作業を行っただけでは警告を消去することは不可能。
CBSリセット機能を有したテスターを車両に接続し、各ブレーキメンテナンス残量に対する項目での、テスターによるリセット実行処置を施す必要があります。
UG/yoshida