先日、UGに到着した新車達のうちの1台、2017yダッジチャレンジャーシェイカーの灯火類改善作業です。
USオリジナルでは、例えばリアのウインカー点滅が赤色等、日本の検査基準に適合しないので、それらの改善作業が必要になります。
チャレンジャーでは助手席側のグローブボックスを取外すと、側面にBCM(ボディコントロールモジュール)が存在します。
このモジュールから、エクステリアランプの全てを出力しています。
ただし問題なのは、当UGもメインで輸入している「北米仕様」の場合、ウインカー単独のラインが何処にも存在しません。
US仕様と違いディスプレイ操作でデイライトキャンセルが北米の場合は行うことが出来ないので、フロント出力はデイライト/ウインカーとなり、リア出力はブレーキ/ウインカー。
新たにアンバー色で設けたウインカー箇所に対し、独立したウインカーラインを入力させることは不可能です。
これはWiTECH(クライスラー正規純正テスター)を用いても、そのBCMのプログラムを変更することは出来ません。
UGが行っている改善方法は、北米仕様で独立したウインカー出力を得るために、CANラインからの情報を採取する手法。
CANとは「ContorollerAreaNetwork」の略で、相互接続された各ECU間のデーター転送に使用されているライン。
ハイ/ローの2本のツイストラインが各ユニットに接続され、互いに車両情報を共有しています。
このCANラインよりウインカーだけの情報を採取し、12V出力を行うようにプログラムした、UGオリジナルのチャレンジャー改善用CANBUSアダプター。
今回は、ウインカー改善用のアダプターと、車速感応式アダプティブブレーキランプ用のアダプターの2個を取り付け。
具体的には、車両のあらゆる箇所に存在するCAN-Bラインよりアダプターの配線を分岐接続し、アダプターにも各ECUが共有している情報を転送させます。
あとは電源ラインだけ接続すれば、ウインカー用アダプターからは前後左右の独立した12Vウインカー出力を発生。
この配線を、アンバー色で点滅させたい箇所に接続すればOKです。
ちなみにアダプティブブレーキランプ用アダプターのほうは、12V出力ラインをブレーキランプへ接続すれば、時速60Km以上でのブレーキング時にストロボ点滅作動を行うブレーキランプへと変貌します。
車両ECU間のデーター転送ラインであるCAN内情報を得る術とプログラム技術があれば、今まで不可能と思えた様々な出力信号が可能となります。
UG/yoshida