業者様よりオイル漏れ修理依頼で作業中の、W211型ベンツE320CDIアバンギャルドです。
CDIとは「コモンレール式ダイレクトインジェクション」の略で、3LのV6ディーゼルターボを搭載しています。
それによりガソリン車に比べ大幅に燃費が向上され、プラス燃料費の違いもあって、走行コストは実にガソリンモデルの半分程度となっています。
今回のオイル漏れは、エンジンのリア周辺より大量のエンジンオイルが漏れてくる症状。
一見、エンジンのオイルパンか、もしくはクランクのリアシール周辺等のオイル漏れと判断してしまうこのオイル漏れ。
問題は、そのオイル漏れの量及び漏れてくるタイミング等…漏れ方の派手さから、例えばクランクシール部のような油圧のかからない箇所からポタポタと、派手に垂れてくることは少ないです。
CDIのV6エンジンは、外観では全く見えないですが、Vバンク中央に水冷式オイルクーラーが装備されています。
その部位の確認をするには、ブーストエアディストリビューター…ガソリン車でいうインテークマニホールドを取外さなければいけません。
ただし、ガソリン車に比べ格段に部品点数の多いディーゼルエンジンは、そこに辿り着くまでかなりのメカニカルパーツを分解していかなければいけません。
ミキシングチャンバーやタービンにインジェクションラインに各種パイピング等を次々と分解し、やっとブーストエアディストリビューターが取外せる状態になります。
このVバンク中央に鎮座するのが、水冷式オイルクーラー。
このオイルクーラーのブロック面との接合部位より、エンジンオイルが漏れてきます。
オイルクーラーはポンプにより油圧のかかった状態のオイルが循環される箇所なので、接合部位のパッキンが劣化してくると、その漏れ方は滲みレベルではありません。
その漏れたオイルは、エンジンのVバンク部に溜まり、逃げ場を失った漏れ溜まったオイルはエンジンリア部の隙間を介し、最終的に外部へ漏れてきます。
オイルクーラー接合部面にある4つの穴は、オイルラインのIN/OUTと水冷用のクーラントラインIN/OUT。
そのオイル漏れの状態にもよりますが、結構派手にエンジンリア周辺から漏れてくる症状の場合は、このオイルクーラー接合部パッキンの劣化によるものがCDIエンジンでは可能性が高いかと思います。
いずれにしても、かなりの分解点数があるので、各種ガスケット/シール類の必要性と、作業時間もかかります。
UG/yoshida
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