チェックエンジン警告が点灯するという案件にて業者様より修理お預かりした、987モデル/ポルシェケイマンの作業です。
症状的にも少しアイドリングが不安定な感じで、エンジンの吹け上りもポルシェらしくない体感です。
とりあえず検知されているDTC(故障コード)履歴を確認すると、「エンジンがシステムリーン状態」及び「No1シリンダー失火」の不具合が入力されています。
実測を確認すると、No1シリンダーを含めて特にミスカウントしている気筒は診られず、入庫時の点検では失火症状は発生していませんでした。
しかしフューエルアダプショントリム値は確かにリーン側に偏っており、リセットしてもトリム値がリーン方向へと補正してく状態です。
システムリーン状態またはその増量補正の過程において失火している可能性もあるので、まずは現在異常が診うけられるフューエルトリム系統を点検していきます。
アイドリングがシステムリーン状態に陥る原因としてまず考えられるのが、インテークへの二次エア混入。
アイドリング状態でインテークバキュームを測定し、二次エア混入によるリーク箇所が存在していないかチェックするも、特にそれらしき不具合箇所は見当たりませんでした。
診断のためアイドリング状態で点検していると、途中からマフラーより大量の白煙が排出されだしエンストしてしまいました。
その後クランキングしてもセルが廻らず(クランクロック状態)…状況から察するに、何らかの原因にてシリンダー燃焼室内にオイルが大量混入してしまったことによる「オイルハンマー」…。
案の定スパークプラグを取り外すと、No1シリンダーよりオイルが垂れてくる始末。
この状況によって先のDTCのひとつである「No1シリンダー失火」が検出してしまうのも納得できます。
シリンダー内に溜まったオイルを排出させて、再度スパークプラグを取り付けてクランキングしてみた結果は普通にエンジンも始動。
幸いアイドリング状態でのオイルハンマーなので無事でしたが、走行中のエンジン回転数が高いときに発生してしまうと、オイルは混合気と違って圧縮されない(出来ない)のでクランクの回転慣性によってコンロッド等の内部損傷が発生してもおかしくありません。
問題は、何故これほどまでに大量のエンジンオイルがNo1シリンダーに混入してしまうのか。
バルブシールやピストンリング等の内燃機トラブルによる「オイル下がり/オイル上がり」等も推測できますが、何気にインテーク廻りを分解すると大量のエンジンオイルがインマニ内部に溜まっている状態と判明。
これらインテークマニ内へとエンジンオイルが大量混入してしまう原因としては、やはりポルシェでは特に定番のオイルセパレーターによるトラブルが最も可能性が高いです。
オイルセパレーターの不具合によってクランクケース減圧値に影響を及ぼし、インテークマニ内へとエンジンオイルが混入してしまうトラブル。
インテークマニ内へと大量に混入して溜まったエンジンオイルは、インテークマニの傾斜等によってNo1シリンダーのインテークポートに垂れていきやすい状況です。
またインテークポート側のみならずエアクリーナー側へもオイルが廻ってしまっており、吸入空気量を計測するエアマスセンサーにも被害が及んでいます。
エンジンオイルで汚染されたエアマスセンサーは、その実測値にズレが発生する故障状態に陥り=システムリーン状態へと陥っていたことが判明。
結果的にオイルセパレーターを交換してインマニ内部を洗浄し、被害が及んだスパークプラグ及びエアマスセンサー交換後は、フューエルトリム値も偏らずに安定した数値を示すようになりました。
今回の不具合の元凶となるオイルセパレーター、これによって最悪「走行中のオイルハンマー」→「エンジン内部破壊」へと進展してしまう危険性もある…くれぐれもご注意ください。
UG/yoshida
*弊社でご購入されたお車以外でも修理/車検等承っておりますので お気軽にご相談ください
また業者様も大歓迎です 各種専用テスター及び整備マニュアル完備
クライスラー&ダッジディーラー診断機 WiTECH2.0(ワイテック2)導入/FCAコーディングソフト完備
フォードFDRS/IDS(VCM3)各種ECUプログラミング可能/ForSCAN完備
GM診断アプリケーション GDS2/TECH2(MDI2)サービスプログラミングシステム対応
ベンツDAS/XENTRY完備&コーディングソフト完備
BMWテスターISPI NEXT(ISTA-D/ISTA-P)完備 各種プログラミング可能 その他 各車種対応AUTEL各種診断機/VCDS等多彩に取り揃えています。
アーバンガレージ TEL 072-638-5579 まで まずはお電話を
平日10:00~19:00 土/日/祝 11:00~18:00 定休日/毎週水曜日