車検整備中の、06yダッジマグナム5.7HEMIです。
ミッションはNAG1タイプの5速電子制御ミッション。
エアコンの排水がミッションに直接かかる箇所のため、対策されてない時期は排水がミッション内部に浸透しミッションが滑る…というトラブルも過去にありましたが、基本的には耐久性にも優れ丈夫なミッションです。(対策をしていれば、内部に水の混入も皆無です)
もちろん耐久性をより伸ばすには、定期的なメンテナンスが必要で…
定期的なメンテナンスというのは、ミッションのオイル交換。
チェンジャーを用いて上抜きで必要量を入れ替える…というのもありますが、出来ればオイルパンを外して内部のフィルターも同時交換しておきたいところ。
というのも、例えばオイルパンに貼りついている、この磁石。
ミッション内部で発生した鉄粉を、オイルから除去するために装着されてます。
あまりにも鉄粉が付いているようなら、この磁石も交換しておいたほうがいいです。
そしてフィルター…右が新品のATフィルター。
いくら磁石が装着されていても、やはり全てを除去するのは不可能で…この黒い汚れは全て鉄粉。
オートマチックミッションといっても、マニュアルミッションのクラッチの役目をするディスクが、何枚も装着されてます。
その各ディスクの磨耗により鉄粉が発生…しかし油圧で制御するATミッションは、油圧をコントロールする為にバルブボディが装着されてますが、細い迷路のような複雑な油圧ラインなので、こういった細かな鉄粉等の異物は大敵。
なので、オイルパンに磁石を設けて、オイル内の鉄粉等を付着させてるのですが、年数や距離も走れば除去しきれないほどの付着量になっています。
NAG1の5速ATで、距離にして約50000kmを目安に、ATフィルターも交換しておきたいところです。
ちなみに今回のマグナムの走行距離は、55000km…この距離で、画像のような鉄粉付着量です。
もちろ上抜きだけでは鉄粉の除去は不可能ですし、AT内にわざわざ磁石を装着させているのは、AT内部の鉄粉の発生量と拡散防止を考えてのことであり、逆に言えばそれだけシビアなことなんです。
例えばエンジンのオイルパンには磁石などは装着されてません…その事実だけでもATミッションでは、ATF内の鉄粉の浮遊を嫌うのをご理解いただけると思います。
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