修理作業中のW211型初期モデル、ベンツのE320です。
内容は、メーターディスプレイ上にブレーキメンテナンスの警告点灯。
ちなみにW211型初期モデルは、SBC（センソトロニックブレーキコントロール）と呼ばれる、電子制御式ブレーキシステムが搭載されています。（後期モデルはABR「アダプティブブレーキ」）
SBCでは基本的にブレーキペダルはスイッチ的な役割で、ハイドロリックの作動は電子制御にて行います。
DAS（ベンツ純正メーカー製テスター）にてSBCを診断すると、DTC番号C249F/SBCの運転時間超過によるエラー入力。
実はこれ、SBC搭載車ではいつかは訪れる、いわゆる「サービスリミット」と呼ばれる状態で、SBCのハイドロリックユニットが寿命に達したことによるもの。
このサービスリミット、年数や走行距離に比例するものでは無く、SBCの作動時間をユニット本体が記憶し、設定されている作動時間を過ぎると寿命と判断し警告。
実はその作動時間…いわゆるサービスリミットまでの残時間は、通常のDASでは実測等で確認出来ず、いつ訪れるかは分からない時限爆弾。
しかもこのサービスリミットに達すると、ユニット本体が寿命と判断（プログラム）しているので、修理方法はウン十万もするSBCユニットの交換（及びコーディング）が通常の処置方法。
しかし、やり方（修理方法）は実は他にもあって…いわゆる作動時間＝サービスリミットは、簡単に言えばブレーキペダルを何回踏んだか？をSBCがユニット内にてメモリー。（その他の内容もありますが）
DAS/開発モードにアクセスしパラメーターを確認すると、今回のE320でカウントされた時間（SBC作動回数）は200万回オーバー。
このパラメーターを、コーディング処置にてカウント数をリセットにより、とりあえず今回はSBCの延命治療を施しました。
＊本内容は、BOSCH社が製造時に定めたSBCユニットのサービスリミットを延長するプログラムによる対処であり、SBCユニット自体の劣化を修正しうるものではありません。
以上の内容をご理解頂き、ご希望の方はご連絡お願いします。
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