定期メンテナンスでお預かり中の、第3世代のLXプラットフォーム発表初期の08yダッジチャレンジャー6.1SRTです。
オドメーター上で約70000km走られているので、今回のメンテナンス内容のひとつとして、ATフィルターを含めたATF交換の作業です。
ATミッションのオイルパンを取外すと、ATFを吸い上げるストレーナー部がフィルターになっています。
ちなみにミッションは当時のベンツと共通の、ZF社製NAG-1型5速電子制御式AT。
取外したATオイルパンは綺麗に洗浄して、新しいガスケットを装着して取り付けます。
オイルパン底面に取り付けられた、浮遊鉄粉除去用のマグネット。
既に浮遊している鉄粉を留める事が困難なほど、マグネットには大量の異物が付着してしまっています。
ATミッションではディスク等から発生した磨耗粉が、バルブボディ等の繊細な油圧通路に堆積すると、正常な機能が損なわれミッション内部の損傷を引き起こす原因になります。
そのようなトラブルを未然に防ぐメンテナンスとして、フィルターの交換はもちろん、マグネットに付着している異物を定期的にクリアにしてあげることが重要です。
いくら上抜きでコマ目にATFを交換していても、マグネットに堆積した鉄粉の除去は行えません。
それで汚れたATFを吸い上げ続けてドス黒く汚れたフィルターを通してATFを循環させていることを想像すれば、フィルター交換も含めた作業の重要性が把握できると思います。
また5速NAG-1ATでは、ボディ側にTCM(トランスミッションコントロールモジュール)が装備されており、その電子制御部のカプラーから劣化によるATF漏れが発生しやすい箇所なので、定期的に点検/交換しておきたいところ。
場合によって劣化による「毛細管作用の原理」により、漏れたオイルが配線を伝ってTCM内に進入し、ユニット本体を破壊する症例も存在します。
ちなみにNAG-1ミッションでは、レベルゲージは存在していなく、専用のツールで油温測定で変動するATF量を正確に計測する必要性があります。
上記の理由から、ATF交換の際は必ずNAG-1ATに対して専門の知識を有したメンテナンス工場での作業を行うように心がけてください。
UG/yoshida
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日本仕様への灯火類改善作業に伴い、オリジナルのウインカー出力とは別に配線を施す作業が多々必要なアメ車。
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