各種警告ランプが点灯し、ディスプレイには「イグニッションロック」のメッセージが点灯しているということで 業者様よりお預かりした、9PA型ポルシェカイエンの作業内容です。
特に今回のカイエンは、イグニッションロック点灯が示すとおり、エンジンは始動すれど シフトレバーがPから動かすことが出来ない状態。
テスターによるDTC診断では、数多くのECUにてターミナル電源の不具合を 認識しています。
基本となるヒューズから 順番に地道に点検を進めた結果、一部の電源では負荷がかかると…どこかで断線もしくは接触不具合が起因している模様。
室内を分解して、メインハーネス電源から配線を調べると…フロアカーペットの下が 異様に濡れているのが判明。
その原因は、サンルーフの角に設けられた 排水ドレンの詰まりと判明。
通常サンルーフのレール部に溜まった雨水は、ドレンを介して外部にされるのですが、詰りによってオーナー様の気付かぬ内に、フロアカーペット下が浸水状態。
フロアカーペット下には メインハーネスが通っているのですが、その所々でスリーブ分岐結線されている箇所が存在します。
通常、室内に水が溜まることは想定していないので、防水性の乏しいスリーブ分岐部は、浸水によって青錆が発生して断線状態。
それによって 各ECUのターミナル電源不良が起きてしまい、今回の異常な制御不能が発生していました。
今回の原因である、排水ドレンの先端部。
外部からの異物混入等を防ぐ目的にて、先が平たく潰されているのですが、それが仇となって長年の雨水と一緒に流れ落ちる堆積物が…です。
幸いなことに、配線修理後のテスター診断では、特にECU内部を脅かしてしまっている気配は無く、全てにおいて正常復帰しました。
UG/yoshida
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