キーレスゴースタートボタンを押すと、エンジンは一度始動するがすぐにストンとエンストする症状の、2013yクライスラー300Cの診断作業です。
すぐにエンストするので走行不能…ですが、始動した直後にアクセルをあおると何事も無かったようにアイドリングを維持し、かかってしまえばエンストすることはありません。
上記症状だけでの想像だと、例えば電子スロットルの制御不良等を疑わしく思いがちですが、
アクセルをあおらずにストンとエンストさせた状態では、メーターディスプレイに常に赤いランプが点滅しています。
これはセキュリティ作動による警告で、盗難防止関連機能に不具合が発生していることが予測できます。
案の定、wiTECH2.0（ワイテック2）によるDTC診断では、エンジンを制御するPCMがセキュリティ作動を検知したDTC（P0513)がアクティブ入力。
それと共に無線周波数ハブモジュール（RF-HUB）には、電子式ステアリングコラムロックの不具合を検知しています。
今回のLXは、右ハンドルのディーラー車の為、ステアリングコラムに電子式のロック機能が存在しています。
キースタートボタンのON/OFFに対し、RF-HUBの制御にて電子式コラムロックを作動させています。
ステアリングコラムロックなのでキーOFF時には、ロック動作を行わなければいけないのですが、現車は常に解除した状態のままロックモーターが動いていません。
順番に配線等を点検/測定していった結果、電子式ステアリングコラムロック（ESCL）本体の内部不良と判明。
盗難防止機能のひとつであるESCLの電気的障害によりエラーを検知するので、セキュリティ機能に問題が発生しランプが点滅＝エンジンストップという図式。
ESCL（電子式ステアリングコラムロック）交換になるのですが、その制御上にてESCLを別の部品に変更する際は無線周波数ハブモジュール（RF-HUB）も同時交換を余儀なくされます。
お互いのユニットを新しいものに交換した後は、wiTECH2.0（ワイテック2）にて現車に対するプログラミング処置が必要。
RF-HUBに対し現在使用しているキーFOBを認識（プログラム）させた後、まずはRF-HUBのプログラミング。
その後にESCL（電子式ステアリングコラムロック）のプログラムにより、RF-HUBに対する唯一無二のESCLへと構成されます。
この辺りのプログラムには順番があり、そのプログラム手順を誤ると新品部品と言えども使用できなくなる可能性が高いので注意が必要です。
無事プログラム終了後は、ボタン操作にてエンジンも普通に始動し、セキュリティランプの点滅作動もせず正常復帰です。
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