修理のご依頼にて、業者様よりお預かり作業をさせていただいた、E66型BMW760Liです。
不具合内容は、ラジエターの冷却水を補充してもすぐに減る…冷却水漏れ箇所の点検と修理です。
アンダーカバーを取外して確認すると、エンジンのフロント側周辺より冷却水の漏れ痕が確認できます。
位置的にウォーターポンプが最も怪しいのですが、エンジンルーム内に隙間が無いV型12気筒エンジンでは、少々のカバー類を外したところでウォーターポンプの存在すら確認出来ません。
フロント周りを分解し、エンジンファンをはじめ各ホース類を取外すと、ようやく問題のウォーターポンプの全貌が確認できます。
ウォーターポンプのホール部には、かなり以前から漏れていたと思われる痕跡が残っています。
ウォーターポンプの新調はもちろん、サーモスタットや弱った各ウォーターホース類も同時にリフレッシュします。
もちろん、ウォーターポンプの後方に装着される、バイパスパイプやヒーターラインのシールリング類も交換が必要ですが、
盲点なのが水冷式オルタネーターと繋がるウォーターパイプ。
ウォーターポンプとオルタネーターに挟み込まれるように装着されているウォーターパイプで、
どちらか一方を取外さないと交換が出来ないパイプです。
このパイプもよく冷却水漏れが発生しやすい箇所なので、どちらか一方（ウォーターポンプもしくはオルタネーター）を取外す際は、必ず交換しておきたい部位です。
新しいウォーターポンプをパイプ類がずれないように装着して、元通りに組み上げて作業。
年式的に各種バキュームホースも傷んでいたので、組み上げる際に新しいバキュームホースへ組替も必要でした。
作業終了した後はテスターでの実測画面にて、エンジンクーラント温度とラジエター出口クーラント温度の比較測定を行い、安定した冷却機能が行われているか点検して無事納車完了です。
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