昨年末に業者様より修理お預かりしている、W221型ベンツS350(手前側車両 奥はCL63/AMG)です。
不具合内容はミッションが変速しない…結論から言えばVGS不良による、エマージェンシーモード状態。
実は一度、某ディーラーに修理依頼されたらしいですが、その修理金額の高額な見積りに対し…ということで、当社に相談いただき入庫点検です。
DAS(ベンツ純正メーカー製テスター)を接続して当社にて再度診断した結果、ディーラーでの診断結果と同じくタービンスピードセンサーの不具合発生と判明。
このベンツは7速電子制御式AT(722.9型)となり、EGS(ATのECU)が制御を行ううえで重要なセンサー値のインプットが得られない場合、ECUが制御不可能と判断してその機能が損なわれます(=変速制御を行わずエマージェンシーモードによる固定シフト状態)
ATのオイルパンを取外し、電子制御式のバルブボディAssyをミッションより取外します。
そのバルブボディの上部には、エレクトリカルコンポーネントが装着され、このプレートにATを制御する電子部品(各センサー類/ソレノイド等のアクチュエーターは別)が全て内蔵されています。
今回の場合は、このエレクトリカルプレートの組み換え作業となるのですが、この部品を入手するには基本的にDASを接続して、内部データーによるナンバーを確認しなければ部品の特定が出来ません(車体番号だけでは部品特定不可能)。
…そして多くの一般修理工場様が自社修理不可能と判断する要因…実はこのプレートにATを制御するECUであるVGSユニットまでもが内蔵されています。
それは、ATのエレクトリカルプレート交換=ATのECUを交換するのと同じ内容になり、ECUの交換作業後は作動開始処置が必要。
その内容は、メーカーオンラインによるプログラミング(コーディング)が必須であり、現車に対し固有のECUと識別させて作動開始を行います。(もちろん他車のECUでは作動しません=中古不可)
ディーラー以外でなければ本国ドイツメーカーへのログインを行う術が無いと一般的には判断され…ご安心ください、UGでは自社にてメーカーオンラインによるSCNコーディングが可能。
今回のW221もドイツメーカーログインによるSCNコーディングを行い、部品交換後の作動開始処置まで全て自社にて作業完了です。
余談ですが、今回のW221のATオイルパン内部に装備されている、浮遊鉄粉除去用のマグネット。
特に722.9型7速ATではギアの段数が細かく、オーナーが意識する以上に頻繁に変速作動を行っています。
その多段変速作動により、よりスムーズなシフトアップ/ダウン及び燃費への貢献がありますが、よりATFの劣化も促進されます。
昨今のATミッションでは、電子制御化による緻密な制御及び内部部品材質等の進化により、機械式AT時代ほど内部滑り等のメカニカルトラブルは激減しています。
しかしATFの劣化に伴い、内部電子制御部品等にダメージを与えトラブルを起こすケースが多く報告されています。
特にベンツの7G-Tronic(7速AT)では、メーカー推奨交換距離でも確か5~60000Km…しかし個人的には30000Km以上走られていれば交換時期だと考えています。
ATF交換に伴うオイルレベルの測定は、DASによる油温管理に伴うオーバーフロー測定。
そのためATF交換では、DASとオイルを圧送注入する専用ディスペンサーを有した環境が必要です。
VGSトラブル等を回避するためにも、一般的な基本メンテナンスのひとつであるATFの定期交換作業を怠らぬよう心がけが必要です。
UG/yoshida
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*当社でご購入されたお車以外でも修理/車検等承っておりますので お気軽にご相談ください
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…他のチャレンジャーとは違う、UGオリジナルで開発したシーケンシャルウインカーを有したテールランプ。
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もちろん車検対応、特許出願中。