業者様より修理のご依頼でお預かりした、03yリンカーンナビゲーター。
故障内容は、高速走行等で時速約80km/hくらいに達すると、フロア周辺からゴトゴトゴトという振動及び異音が発生。
実際、試運転にてその症状を体感すると、感覚的にはプロペラシャフト周辺か？最悪ミッションかトランスファーか…と想像しがちな症状。
それともうひとつ、メーター上にはチェックエンジンの警告ランプが点灯状態。
VCM2を接続してIDS（フォード純正正規メーカー製テスター）を起動させると、PCMに入力されているDTCは、3番シリンダーの失火を検出。
しかし、アイドリングで診断する限りでは、特にミスファイヤーをしている様子は皆無。
念のため、IDSを接続して高速走行を含めたロードテストを行うと、先ほどの時速80Km/hあたりから発生する異音振動と同時にNo3シリンダーもミスファイヤー。
その原因はお決まりの、イグニッションコイル＆スパークプラグ。
その後、再度ロードテストを行うも、ミスファイヤーを検出しなくなれば異音振動の発生も皆無。
感覚的にはプロペラシャフト周辺の不具合と体感した症状も、実はミスファイヤーに同調して発生していた異音振動。
アイドリング等の無負荷状態では発生しないその失火も、ちょうど時速80Km/hに達する車速でのATのロックアップに対する負荷とエンジン回転域が、劣化したNo3シリンダーの失火を誘発。
改めて確認すれば、その振動はミスファイヤー的な症状なのですが、前触れ無くその速度域にて急に体感するので、失火によるものとは想像しずらいその症状。
人間の五感だけでは判断を誤りがちな不具合特定も、テスターによる実測値が現状の不具合をモニターにて正確に表示するので、余計な遠回りをせずに無事解決できた事例です。
UG/yoshida
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