アッパーオペレーティングフィールドの作動開始/ベンツG500

シートヒーターが作動しない…スイッチを押してもすぐにキャンセルされてしまうという故障でお預かりした、W463型ベンツG500/ゲレンデです。

シートヒータートラブルで多いのは、シート内部に装着されるヒーター熱線の断線もしくはショートといった不具合が最も多い症例ですが、今回のゲレンデでは左右のシート両方ともが突然ダメになっているので、他の要因による可能性が高いと推測されます。

DASにて、シートヒーター回路の制御を司る「アッパーオペレーティングフィールド」を診断するも…

そのDTC（故障コード）は、アッパーオペレーティングフィールド自体の内部不良を促すエラーが存在。

念のため、左右のシートヒーター本体の抵抗等測定するも、特に問題ない数値なので、制御するECU自体がダメ＝アッパーオペレーティングフィールドの交換が必要と判断。

アッパーオペレーティングフィールドは、センターコンソール上部に装備される各スイッチ郡。

このスイッチ郡が、単なるスイッチでは無く、CANで制御される内部がECUとなります。

もちろんECU（エレクトリカルコントロールユニット）なので、現車に装着するには作動開始処置による各種コーディングが必要とされますが、このころのアッパーオペレーティングフィールドに至っては、特にソフトウェアキャリブレーションナンバーをインストール（SCNコーディング）するようなオンライン作業は必要なく、DASによる適合にてプログラム内容に問題なければ特殊なコーディング処置は必要ありません。

しかしその辺りの判断は、最低限DASによる作動開始項目の確認が必要とされ、特にW463に至っては長期に存在しているが為、年式や部品番号によってコーディング処置内容も変わっている可能性があるので、必ずDASによる確認が必要で、SCN入力が求められるコーディングはXENTRYによるオンラインが必要となります。