オイル漏れによるミスファイヤー/BMW M5

 

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時折り、「ドライブトレーン異常」の警告メッセージが点灯し、エンジンも不調に陥るトラブルで入庫した、F10型BMW M5の作業です。

ISTAを接続してDMEコントロールを診断すると、その症状はNo1シリンダーの失火によるものと判明。

 

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…しかし、M5に搭載されているS63型エンジンは、消耗品ともいえるスパークプラグにアクセスするにも、多くの付属品を取外さなければアプローチ出来ない整備性

 

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No1シリンダーのスパークプラグを確認するため、邪魔なパーツを分解してイグニッションコイルを取外すと、プラグホールにエンジンオイルが溜まっている状態

 

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バルブカバーのプラグホール部のシールガスケットの劣化により、スパークプラグ部にエンジンオイルが漏れてしまっており、それが原因でコイル通電不良による失火状態と判明

 

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そしてNo3シリンダーのイグニッションコイルには、微量ながら漏れた冷却水の付着痕

 

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こちらはホットインサイドレイアウトされたタービンの冷却ラインから水漏れが発生していることによるもので、この先No3シリンダーの失火はもちろん、冷却水漏れによるヒート症状も発生する危険性があります。

 

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S63型エンジンは、先にも述べたようにホットインサイドレイアウトの為、バルブカバーを取外すにはインタークーラー→フューエルフィードライン及び高圧ポンプ→直噴インジェクター→各ウォーターライン&DMEユニット→キャタライザー→タービンAssyその他多くの部品を分解しなければいけません。

 

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それらの補器類を取外すと、やっと問題のバルブカバーへとアクセス出来ます。

 

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取外したバルブカバーのシールガスケットは、劣化によって硬化しており、既にシール機能は著しく低下しているのが分かります。

 

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シリンダーヘッド側の接合面及びプラグホール部に溜まったエンジンオイルを綺麗に掃除して、

 

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バルブカバーに新しいシールガスケットを装着して、組み付けていきます。

 

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あとは元通りに、分解した順番に組み付けて…特にタービンの位置アライメントがずれると、キャタライザー等が接続できないシビアなクリアランスなので、慎重に調整していきます。

 

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組み立て後は抜き取った冷却水等を補充してエンジン始動、失火等の症状が改善されたか完成点検を実施して作業終了です。

 

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