エンジン始動時にキーを廻しても、セルモーターを廻すことが出来ない…2007yクライスラー300Cの作業です。
シリンダーにキーを挿入して「キーON」ポジションまでは問題なく「節度のある廻り方」をするけれども、セルを廻す位置である「スタート」位置まで廻そうとすると節度感が無く、ちゃんと廻せていない感じの症状。
そういった体感症状のあるLX系の多くは、キーシリンダーの奥にある「イグニッションアクチュエーター」の損傷が疑わしいです。
キーを挿入して廻されるキーシリンダーの回転を、奥にあるイグニッションスイッチへ駆動伝達するアルミ製の部品ですが、経年劣化によってイグニッションスイッチ側の細くなった箇所が割れるトラブル。
割れてしまっても破片同士でキーONポジションまでは駆動するけれども、戻りバネ力の働くスタート位置までは廻せなくなります。
本来、この部品は単品での供給が無く、アクチュエーターが収まるハウジングAssyでの供給となるのですが、現在ではその部品供給もメーカーから終了してしまっています。
しかし社外製品ではリペア部品が存在し、損傷したアルミ製のイグニッションアクチュエーター単体で新品入手可能です。
もちろん金額的にも、当時メーカーから供給されていたハウジングAssyに比べ遥かにお安く、同じメカニカルキータイプ（2005y～2007y）であれば300Cだけでなくマグナムやチャージャーも共通です。
分解したハウジングに新しいイグニッションアクチュエーターを組み込み、あとはキーシリンダー部やスイッチ部等を元通りに組み付けます。
元のキー及びキーシリンダーはもちろん、イグニッションノードも元の部品を使用しているため、イグニッションキー周りの分解といってもイモビライザー等の対処は不要。
このイグニッションアクチュエーターの破損トラブルはかなり多く、UGでも過去に数台修理事例が存在します。
年数的に細いアルミ部の機械的寿命と考え、出先で突然セルが廻せなくなる…そのような万が一のトラブルを未然に防ぐ為に、故障履歴の無いお車は予防交換を考えてもいいかもしれません…。
UG/yoshida
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