バルブトロニックシステム不良によるエンジン不調/BMW640i

エンジンの始動性が極端に悪くなり、エンジンが始動してもアイドリング不安定/エンジン不調等により自走不能状態に陥った、F06モデルのBMW640iの診断です。

 

ISTAテスターにてディフェクトメモリーを確認すると、バルブトロニックシステム特にバルブトロニックのサーボモーターに対する不具合を検知しています。

BMWのバルブメカニズムでは、可変バルブタイミングシステムと併せてインテーク側のみ無段階可変バルブリフト量制御システムが備わっています。

 

一般的にエンジンの回転数制御は、アクセルペダルに連動して駆動するスロットルバルブにて制御されます。

インテークポートへの吸入空気量をスロットルバルブにて制限することにより、アイドリング回転から高回転まで調整することが可能となります。

 

いっぽう今回のN55エンジンを含むBMWのバルブトロニックでは、サーボモーターを使用してインテーク側のバルブリフト量を無段階可変させることにより、吸入空気量を制限してエンジン回転数を制御します。

 

エンジン内部に設けられたサーボモーターが制御不良等に陥ると、例えばアクセルペダル操作を行ってもバルブリフト量が可変せず、エンジン回転数の制御操作が不可能になります。

 

制御不能に陥いったサーボモーターの交換後は、学習プロセスを終えなければバルブトロニックシステムは作動せず、それに伴ってエラーも検知します。

 

バルブトロニックのシステム学習を順番にクリアした後、サーボモーターは正常制御の作動を開始します。

 

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