ある時突然、エンジンを始動したらあらゆる警告ランプ及び警告メッセージが表示され、Dレンジにシフトして走行しても全く変速しなくなる…という案件にて業者様より修理ご入庫頂いた、2008yキャデラックエスカレードの診断です。
厄介なのは、この症状が稀にしか発生せず…弊社でお預かりした際も一度症状が発生した後に復帰し、その後は一か月以上症状が出ず…。
更に厄介なのは、症状発生中にはテスターと車両が通信せず(テスターが繋がらない状態)、症状復帰後にテスターを接続してエラーを確認すると、あらゆるハイスピードLANネットワークのECUが互いに通信喪失状態に陥っているという検知履歴が残っているだけ。
上記内容から、ハイスピードBUSネットワークの何れかのECU不良に伴うCANウイルス発生→ネットワークより感染して通信機能途絶と考えられます。
但し、その後は先に述べたように、一か月程度経過しても症状が発生せず、診断を進めることも困難な状態。
ただ暗電流値が異常に高く、すぐにバッテリー電圧が下がる(バッテリーあがり)状態だったので、漏電箇所を調べると、
その漏電発生原因箇所はEBCM(エレクトリックブレーキコントロールモジュール)と判明。
EBCMの内部漏電により、約300mA以上の電流消費が発生しており「もしかしてネットワークウイルスもEBCMが原因では?」と思ったのですが、EBCM交換/プログラムしても漏電は治れどウイルス発生症状は完治せず。
ただ、この時期より比較的症状発生が確認出来、ネットワークジャンクションで絞り込みながらオシロスコープに表示されるネットワークノイズの発生箇所となるECUを順番に模索。
症状発生時のタイミングを考慮しながら時間をかけて絞り込んだ結果、エレクトリックサスペンションコントロールモジュール(ESCM)がウイルス発生源と判明。
早速USAへ手配して入手した新品のECU、ただし取り付けて結線しただけではキャリブレーション未認識により起動しません。
サービスプログラミングシステムを起動させ、現車に取り付けた新品のESCMをプログラミング。
GMブランドの車種でメンテナンスにお困りの方(ディーラーの修理金額にご不満の方もしくは違法改造等の理由でディーラー作業を断られた方)、UGでは各種診断はもちろん、ECU交換の際に必要なプログラミング等も全て可能なので、ユーザー様及び業者様問わずご遠慮なくご連絡ください。
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