時折りチェックエンジン警告インジケーターが点灯する、2007yキャデラックエスカレードの診断です。
入力されているDTC（故障コード）を確認すると、システムリーン状態を検知しています。
エンジンコントロールモジュール（ECM）はO2センサーからの情報に基づいて空燃比コントロール制御により燃料供給を決定しているのですが、過度のリーン状態に陥っていると判断した際に上記DTCが検知されます。
実際、フューエルトリム値を一旦リセットしてエンジンを始動すると、左右バンク共にショートターム値が急上昇、それに合わせてロングターム値も上昇を続け上限まで達してしまう状態です。
こういったシステムリーン状態に偏る原因として、二次エア混入の他にO2センサーをはじめとする各種電気的要因等、様々な原因が考えられます。
その中でも特にこのエンジンでは、PCVライン損傷による二次エア混入事例が多く、それによってシステムリーン状態に陥っているケースをよく経験していますが、今回のエスカレードでは最近交換している模様で特に損傷等の不具合はありません。
もちろん２次エアが混入する箇所＝インテークマニ側に接続される全てのバキュームラインに、その原因の可能性があります。
今回のエスカレードでは、ブレーキブースター（マスターバッグ）のバキュームラインを塞ぐとリーン状態が解消＝マスターバッグ内より二次エアが混入してしまっていると判明。
マスターバッグのバキュームリークとして可能性が考えられるマスターシリンダー部のシール劣化、その箇所を点検する為にマスターシリンダーを取り外して確認すると、
マスターシリンダー側からブレーキフルード漏れが発生し、漏れたフルードがマスターバッグ内へと混入しているのが判明。
マスターシリンダーの劣化によりマスターバッグ内にフルード漏れが発生→漏れたフルードによるシール劣化損傷により二次エア混入。
対処としてはマスターバッグはもちろん、フルード漏れが発生しているマスターシリンダー双方共に交換が必要となりました。
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