時折り、運転中に全く操作していないのに、ワイパーやフォグランプ等の灯火類が勝手に作動するという不具合にて点検ご入庫頂いた、2006yクライスラー300Cの診断です。
しかし弊社で数日にわたり確認したところ、全く症状が発生せず…原因探求するにも症状の頻繁性が無ければ、不具合箇所の特定が困難となります。
誤作動してしまうワイパーやフォグランプのリレーは、エンジンルーム内にあるトータリーボックスに設置され、その前面に取り付けられているフロントコントロールモジュール(FCM)にて制御を行っています。(CAN信号化されたワイパー/フォグランプ等のスイッチシグナルはFCMにてリレーを制御)
上記構成内容から先の症状の不具合箇所は、例えばFCMの制御不良によるものでは無いかとまず予測出来ます。
しかし検知されているDTC(故障コード)は、各ECUがヘッドライトレベリングトランスレーターとの通信喪失、及びそれに伴ってかCAN Bバス性能をも履歴入力されています。
FCMの内部制御的なエラーを検知している状態であれば、FCM交換が妥当と判断できますが、現車は上記履歴DTC以外は何も検知されていません。
ヘッドライトレベリングトランスレーター(HIDT)は、積載や乗員等による車両の車高/角度変化に対しヘッドライトを自動的に水平調整を行うレベリングシステムで、先の症状に対する因果関係は一見無縁のものと考えられます。
しかし一旦上記DTCをクリアしても、エンジンを数分始動した後に確認すると、訴えられている不具合症状は発生しなくとも、同じDTCが知らぬ間に履歴検知されている状態です。
ここでひとつ気になるのが、HIDTの通信喪失のみならぬ、併せて「CAN Bバス性能」に伴うエラーをも同時に検知されてしまっている内容。
DTC内容からも分かる様に、HIDTはコントロールエリアネットワークにて制御されるECUのひとつで、HIDTのソフトウェアトラブルによってCAN Bバス回路に対して不具合が発生している可能性も否定できません。
このCAN Bバスエラー検知による原因によって電装制御の不具合が発生してしまう可能性は十分考えられる内容なので、まずはその発生源を探るために一緒に検知されているHIDTのECU端子を取り外して暫く様子を診ます。
もちろんHIDTのECU端子を取り外している状態なので、各ECUがヘッドライトレベリングトランスレーターとの通信喪失をアクティブ検知しますが、この状態で数時間エンジンをかけて放置してもCAN Bバスのエラー検知はされず=DTCが増えることはありません。
HIDTの制御不良によりCAN Bバスエラーをも検知されていた可能性が濃厚なので、その機能の必要性が無いと確認して、ECUネットワークよりHIDT機能設定を無効化へとコーディング処置。
これによってヘッドライトレベリングトランスレーター通信喪失のDTCも検知せず(HIDTが存在しないネットワーク化)=DTC検知皆無状態へと…しばらくこの状態で様子を診て、もし「症状が再発する」もしくは症状は出なくとも「CAN Bバスのエラーを検知する」といった不具合が発生したのであれば、その時はFCM不良の可能性も濃厚となるかもしれません。
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