HOT OIL表示と始動不能/ジープラングラー

エンジンを始動する為イグニッションキーを廻すと、ときおりメーターディスプレイに「HOT OIL」が表示され全くクランキングしない=始動不能に陥る、JKモデル/ジープラングラーの修理です。

その症状が発生した場合、何度かイグニッションキーをON/OFF操作することによって復帰したりすることもあり、正常にエンジンが始動するときは「HOT OIL」警告は表示されていません。

 

そもそも「HOT OIL」警告は、ミッションフルード温度が規定値より高温に上昇した際に警告するメッセージで、エンジンのクランキング不能に直接関与する不具合では無いと考えられます。

上記症状から予測する内容としては、イグニッションスイッチ回路やセキュリティトラブル等が、まず思い浮かぶ内容かと考えられます。

 

しかし、症状発生時にwiTECHでのトポロジーモニターを確認すると、エンジンを制御するPCMをはじめ、TCM(トランスミッションコントロールモジュール)やABSそしてSAS(ステアリングアングルセンサ)等の主要なECUが起動しない状態に陥っています。

 

イグニッションオン状態にあってもPCMが起動していなければ、イグニッションスイッチ回路等は正常であっても、スターターシグナルがPCMから出力されないので、エンジン始動することは出来ません。

症状発生時は上記主要ECUが通信喪失状態に陥っている為、HOT OIL等の警告も表示されると考えられ、また症状がキー操作を繰り返したりすると復帰するので、共通の電源回路またはCAN回路のトラブルかと予測できます。

 

共通の電源回路=トータリーインテグレーテッドパワーモジュールの配電測定となり、CAN回路の不具合としては起動しなくなるPCM/TCM/ABS/SASの其々のCbusラインを測定点検していくことになります。

 

今回の不具合はTIPM(トータリーインテグレーテッドパワーモジュール)の制御不良と判明。

TIPM内部で配電不良が発生し、先の主要ECUが起動しなくなりエンジンが始動できなくなるトラブルと判断。

 

TIPM交換時には輸送モードを解除して、各設定項目/キャリブレーションの選択/変更処置等を行います。

 

TIPM変更処置後はPCM/ABS/TCM/SASも通信喪失/起動不能に陥ることも無く、安定したエンジン始動操作を確認して納車完了です。

 

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