エンジン不調症状にて業者様より修理お預かりした、2010yクライスラー300Cの作業です。
チェックエンジン警告ランプも点滅作動し、アイドリングの維持すら困難な状態です。
ちなみにエンジンはV6/3.5Lモデルで、左バンク側が全て失火している状態です。
業者様の方でプラグやコイルの交換、さらにはインジェクター等も点検されたらしいのですが、左バンク失火症状が全く改善しない模様です。
基本に戻ってエンジンの圧縮圧力を測定すると、明らかに左バンク側のみ圧縮圧力値にばらつきが確認取れます。
その為、左バンク側のシリンダーヘッドを取り外し、念のためバルブ廻りやシリンダーの状態をチェックしていきます。
結果、今回の原因はロッカーアームの不具合によるものと判明。
内燃機内部に特にダメージは無く、ロッカーアームの損傷によって先の症状が発生していました。
ロッカーアームの先端にある油圧リフター部が、左バンク側の数か所で脱落してしまっており、それに伴ってバルブリフトが正常に機能しない状態です。
脱落した先端部は、幸いシリンダー内部に侵入した形跡は無いので（おそらくオイルパンまで脱落？）、バルブ廻りやシリンダー内部への損傷は発生していませんでした。
上記トラブルによってバルブリフト機能に影響を及ぼしている気筒は、もちろん正確な圧縮圧力を測定することは出来ません。
仮に全くバルブが動かない状態では、燃焼室内はピストン上下運動によって大気圧より低い圧力気体で満たされた空間内状態（真空）に陥る為です。
今回は損傷が診られたロッカーアームだけでなく、左バンク側全てのロッカーアームを新品部品へと組換え作業を行い、エンジンの調子も復活しました。
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