…どう見ても、右前の車高が異常に低くなっている、05yモデルのリンカーンナビゲーター。
これだけ右前の車高が落ちてきているにも関わらず、メーターディスプレイにはエアサスの異常を警告するランプやメッセージは一切表示していない状態。
VCMⅡを現車に接続しIDS（フォード純正メーカー製テスター）を起動させて診断するも、エアサスに関するDTC（ダイアグノシストラブルコード）の入力は皆無で、ECUでの実測では特に右前が低い数値を表示せず正常な状態。
実はこのトラブル、その原因は車高を判断するハイトセンサーの不良によるもの。
右前のハイトセンサーを確認すると、腐食による固着が発生（画像矢印部）しており、車高変化で連動するレバーだけが軸からずれて動いている状態。
センサーの軸部が動いていないので、正常な車高状態の位置のまま固着し、ECU上では「正常な数値」を示している症状です。
いくら正常なエアサスであっても、走行状態や時間の経過によりエア圧を補充しなければ車高維持し続けることは不可能なのですが、センサーの数値では右前にエア供給する必要性をECUが判断しないので、どんどん車高は低くなって…という状態。
このハイトセンサー、決して安い部品では無く…フォードのジャパン撤退による影響か？ここ数年でフォード純正部品（Motorcraft）の日本売価が高騰してきている気がします…。
特に今回のナビゲーターのように、エア圧不足状態で走行を続けると、経年劣化で硬化してきているエアサスベローズは、ベローズ表面のひび割れ発生等によりその寿命を著しく低下させます。
年数の経過したエアサス車で走行距離の多い車では、特に定期的な点検を行うことにより未然にトラブルを防ぐことも可能なケースが多々あります。
UGではアメ車全メーカーの各専用テスター（IDS/GDS2＆TECH2/WiTECH）はもちろんベンツ（XENTRY/DAS）等も専用テスターを完備していますので、各種テスターによるECU診断から定期点検まで、お気軽にお問い合わせください。
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