この度、車検整備にてお預かりしていた、X166型USAモデルのベンツGL550です。
一般的な消耗部品交換の他、今回のタイミングでATFの定期交換を実施。
X166型のGLクラスでは全車 電子制御式7速AT(722.9型7G-Tronic)が搭載されています。
この7速ATは2003y発売の一部のモデルより採用され始め、現在 多くのモデルが9G-tronicへと移行しています。
ここ数年、この7G-tronicミッションのバルブボディトラブルをよく耳にするのですが、その多くはATFメンテナンスを怠ったが故に発生しているケースも少なくありません。
多段変速化に伴い、頻繁に変速動作を行うが故、よりスムーズな加減速と燃費への貢献を成し遂げているのですが、その変速回数の多さが故に先代の5速AT(722.6)に比べ、ATFの劣化は早期に訪れます。
これは、AT内部で発生する鉄粉等の浮遊異物増加に伴い発生するトラブルで、定期的な交換メンテナンスでATオイルパン及び磁石をクリーン状態にすることで、ATF劣化の促進を抑制することになります。
もちろん、ATFメンテナンスを行っているからトラブルには絶対に見舞われない訳ではありませんが、そのリスクはかなり軽減できるのも事実。
上記内容により特に7G-Tronicでは、シビアに定期的なATFメンテナンスの管理が必要となり、最低でも5万キロ以内にフィルターを含むATFの交換が必要です。(7G-Tronicにはレベルゲージパイプ及びATF排出ドレンは存在しません)
自動車屋が販促のために…と半信半疑の方もいらっしゃるかもしれませんが、ATF未交換の状態では、かなり高い確率で10万キロ前後でトラブルを起こしています。
7G-tronicでは、近年のATミッションでは多くなった圧送補充にて、油温管理によるオーバーフロー測定となります。
オイルパンの形状やフローパイプの種類等によって、微妙に測定温度が違いますので、必ず専門的な知識と設備を有した工場での交換をお勧めします。
7G-tronic搭載車は、W220後期の一部及びW221系のSクラス、W211(一部を除く)やW212系のEクラス、W219やC218のCLSクラス、W203及びW204系のCクラスなどです。(何れも搭載エンジンによって違いがあります)
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