「ドライブトレーン」の異常警告メッセージが表示され、エンジンが不調状態のF10型BMW M5の診断作業です。
ISTA（BMWディーラー診断機）にてディフェクトメモリーを確認すると、No2シリンダーが失火状態と判明。
No2のミスファイヤーによるフェイルセーフのため、実質7気筒で制御されている状態なので、振動と共にエンジンの噴け上がりも極端に悪い症状です。
ミスファイヤー＝プラグやコイルといった「点火系」の症例が最も多い部位ですが、ダイレクトインジェクション（直噴）の場合は特に燃料系不具合の事例も多いので、テストプロセスに従って順番に点検を進めます。
結論から言えば今回のM5は、消耗品であるスパークプラグの不良という基本的な内容。
しかし先に述べたようにダイレクトインジェクターの場合は、燃料系による特定気筒失火検知の不具合も多く、プラグの状態によっては対処処置を必要とするケースもあります。
その構造上、直噴エンジンでは燃焼室内インテークバルブ付近にカーボンが蓄積しやすく、酷い状態になると添加剤等での内部洗浄による効果は薄くなります。
そういった状態へ陥るのを避ける意味でも、こまめなエンジンオイル交換は有効です。
正直メーカー推奨のオイル交換スパンでは、先のカーボン蓄積進行は早く＝失火トラブルの原因へと進行するので、UGでは最低でも5000Km毎でのエンジンオイル交換を推奨します。
UG/yoshida
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