エンジンをかけて暫く経過すると、突然各種警告ランプが点灯し、走行してもミッションが変速しなくなる…という案件で修理お預かりした2007yキャデラックエスカレードです。

 

上記症状が発生した際にミッションを制御するTCMのエラーを確認すると、「通信バスAオフ」のDTC（故障コード）が入力されています。

昨今の車両には様々なエレクトリカルコントロールユニット（ECU）が備わり、互いにシリアルデーターラインにてネットワーク（CANバス）が組まれ、必要な情報を共有しつつ制御を行っています。

 

GM LANと呼ばれるシリアルデーターラインには、ハイスピードLANとロースピードLANが存在し、今回のトラブルはハイスピードLAN系統のネットワークトラブル。

各シリアルデーターラインの不具合（ショート等）やユニット電圧降下、または関連する何れかのECU内部不具合によるデーターラインへの障害等。

 

それらを順番に測定診断を行なった結果、今回のトラブルはボディコントロールモジュール（BCM）内部不具合によりネットワークラインへ障害が発生していると判断。

 

新しいBCMへ変更後は未プログラム状態なので起動せず、そのままの状態ではエンジンも始動できません。

現車のネットワークと結合させ起動させるため、GMサーバーへアクセスしてECUのプログラミングを実行。

 

BCMのセットアップが無事成功した後のロードテストでは、先のネットワークトラブルによるDTC入力も発生しなくなり、ミッションの変速動作も正常復帰しました。

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