冷却水レベル低下の警告ランプが点灯している、初代Vクラス W638モデルのベンツV280の作業です。
リフトに上げて確認すると、エンジン後方/ミッション側より冷却水が激しく漏れてくる状態。
漏れ箇所を確認する為エンジンフードを開けて上から診ても、V6が搭載されたモデルなのでスペースが狭く目視は困難。
元来 直列4気筒エンジン搭載のFFモデルとして設計されたVクラス、市場のモアパワーの要求にこたえる為にV型エンジン搭載グレードの開発が進み、その際に選択されたエンジンが ベンツ自社製よりエンジン幅の小さいフォルクスワーゲン製エンジンをベンツが採用。
VW系のエンジンでは事例の多い、エンジン後方部に位置する樹脂製のサーモスタットユニット劣化による冷却水漏れ。
今回のW638も位置的に、このサーモスタット周辺からの漏れと推測できます。
かなり激しく漏れていたので樹脂製サーモスタットにクラックが発生しているのでは?と予測していましたが、取り外して判明したのがサーモスタットが取り付けられるシリンダーヘッド面の腐食進行。
取付面の腐食によってサーモスタットガスケットとの密着性が乏しくなり、シール機能が果たせず更に冷却水が漏れ垂れてくる…新しいサーモスタットのガスケットシール面に、更に液体ガスケットを塗布して対応。
接合面漏れ箇所の金属腐食は、漏れてきている状態のまま修理せずに乗り続けることによって進行します。
冷却水漏れの疑いがある車両はもちろん早期に点検必要、漏れているのを自覚しながら給水して乗り続ける行為は二次災害を招く危険性が高いので、早期に修理が必要です。
UG/yoshida
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