チェックエンジン警告ランプが点灯している、2016yのJKモデル/ジープラングラーの作業です。
入力されているエラーは、エンジン油圧コントロール回路の不具合を履歴にて検知。
このJKラングラーに搭載されている3.6L/V6エンジンのオイルポンプは、オン/オフソレノイドによって制御される2段階の圧力モードを兼ね備えたオイルポンプが装備されています。
エンジンのECUであるPCM(パワートレインコントロールモジュール)によって、エンジン回転数や油温等の状況に応じた圧力ステージを決定し、オイルポンプに備わったソレノイドをON/OFF制御するのですが、現車は点検時には正常に動作を行っておりエラーを検知してしまうような制御不良症状は確認出来ない状態。
油圧コントロールのステージ切替の最も一般的な条件下では、アイドル回転から約3000rpmまでが低圧モードとしてソレノイドがON状態になり、3000rpmから4000rpmあたりでソレノイドバルブをOFFにして高圧モードへと切り替わります。
とりあえずPCMの制御不良も踏まえ、まずはキャリブレーションを最新のものへとアップデートし、暫く様子を診てもらう…
…と考えていたら、突然症状が発生。
エンジン暖気後にも関わらず、エンジン回転数1000rpm程度しか廻っていない状況でもオイルプレッシャー値が5.6barと「高圧モード」ステージのままの状態。(通常は2.0bar程度)
先に述べたように約~3000rpmまでは「低圧モード」ステージでソレノイドバルブがONに切り替わらなければいけないのですが、現車のオイルポンプに備わっているソレノイドバルブがON状態にならず=高圧モードステージのままに陥っています。
このソレノイドバルブは単品での部品供給無し、メーカーの説明でも分解禁止でオイルポンプAssyでの交換を必要としています。
このエンジンのオイルポンプはシリンダーブロック下側にマウントされている為、オイルパンを取り外してポンプチェーンを取り外して組替作業。
オイルポンプAssyの組替作業後は、安定した油圧ステージの切替動作を行うようになり、無事納車完了です。
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