時折りチェックエンジン警告インジケーターが点滅し、アイドリングにてエンジン不調症状が発生する、2013yクライスラー300の作業です。
体感する症状は明らかに複数シリンダーの失火(ミスファイヤー)症状に酷似、DTC(故障コード)を確認するとマルチシリンダー点火不良を検知しています。
特定気筒のミスファイヤー(失火)トラブルにて最も疑わしいのは、スパークプラグやイグニッションコイルといった点火系部品の不良、もしくはインジェクター不良等による失火気筒の燃料噴霧不良とかでしょうか。
しかし今回のLX、症状発生時にはNo2/4/6シリンダー、いわゆる「左バンク」側全てが揃って失火カウント上昇する状態に陥ります。
実はこの症状に対しメーカーからサービスブルティン情報が配信されており、左バンクシリンダーのリークによる片バンク失火トラブルの可能性を指摘しています。
先に述べた個々の点火系及びインジェクター等の不具合が診うけられ無いにもかかわらず、No2/4/6シリンダーの失火カウントが上昇する2011y~2013yに搭載されていた多くのモデルの3.6Lエンジンでは、左バンクシリンダーヘッド本体に問題が存在している可能性もあります。
サービスブルティン情報に従ってシリンダーリークテストを実行した際、いずれかのシリンダーで25%以上のリークが確認できた場合、シリンダーヘッドの交換が必要とされています。
部品として新たに供給されている左バンクシリンダーヘッドコンプリートにはバルブ等は装着されていますが、カムシャフトは再使用となるので事前に摩耗等が存在していないかチェックが必要。
SSTを使用してバルブタイミング調整の確認後、他の付属品組付けしてエンジン始動。
先の「片バンク失火」症状によるエンジン不調も改善され、無事作業完了です。
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