冷却水点検の警告メッセージが点灯してしまった、W222型ベンツS550の点検/作業です。
基本となる冷却水レベルを確認すると、高温側ラジエターの冷却水が規定値より大幅に下回っています(ツインターボなのでブーストエア冷却用の低温側ラジエターも完備)。
リフトに上げて下回りを確認すると、おびただしい量の冷却水漏れ痕が、エンジンフロント廻りに存在しています。
M278型V8エンジンはツインターボなので、ブーストエアパイピング等を取り外していかなければ、エンジンフロント廻りの漏れ箇所の確認は難しいです。
フロント廻りをウォーターポンプが確認出来るところまで分解すると、ウォーターポンプから導かれているパイプが損傷しているのが判明。
これらのパイピングは、左右に装着されているターボチャージャータービンの冷却ラインとなります。
これらタービンクーラントラインは一部が樹脂製の為、経年劣化による損傷で割れてしまい、突然の冷却水漏れトラブルへと遭遇します。
今回のタイミングで損傷したラインだけでなく、条件的に同様となる他のタービンクーラントラインも同時に交換します。
特に普段は確認できる箇所でない=通常の点検レベルでは漏れてきていない限り劣化具合が判断できないので、同条件に値する部位は同時に交換しておくほうが無難です。
作業のために取り外したサーモスタットも、今回のタイミングで新品部品へと変更。
全てを元通りに組み付けした後は冷却水を補充して、完成後のXENTRYによる診断機チェックを実行して終了です。
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