暫く走行するとアドブルーシステムの機能異常表示が現れ、やがて残走行可能距離まで表示される症状に陥った、W212型ベンツE350ブルーテックの診断です。
XENTRYテスターにてエラー内容を確認するも、アドブルーシステムの機能障害と入力されているだけで、具体的な不具合箇所を検知していません。
クリーンディーゼルエンジンであるブルーテックエンジンには、尿素SCRシステムが採用され、尿素水溶液であるAdBlue（アドブルー）のタンクが備わっています。
これはディーゼルエンジンから排出されるガスの窒素酸化物（NOx）を浄化する技術であり、コントロールユニットの制御にてAdBlue（アドブルー）を排気システムに設けられたメタリングバルブより噴霧し、NOxを窒素と水に還元させるのが目的です。
今回のDTC（故障コード）内容では、この一連の動作に対するチェックを必要とする為、タンク上部にマウントされたアドブルーサプライポンプのダイナミックテストを始め、システムラインやメタリングバルブの点検へと進行します。
メタリングバルブの噴霧テストを確認する為、マフラーよりバルブを取り外すと、結晶化された白い堆積物がラインから噴射される状態。
尿素水であるアドブルーは、特に低温度時には結晶化が進行し、それらがバルブ等に堆積してしまうと正常な噴霧が行うことが出来ません。
この堆積物は水で溶けるので、バルブを傷めぬ様に綺麗に洗浄して、再度組み付け。
その後は再度各システムテストを実行し、最後にメタリングバルブのリセットを実行、そして約30キロ以上のロードテストを実施して終了です。
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