「修理不可能」と宣告され、ディーラーから見放されているのが現状の、～2007yクライスラー300C等のセキュリティトラブル問題。
今回ご入庫頂いた2006yの300C、関東方面の業者様よりご依頼を頂き、お預かりさせて頂きました。
セキュリティの主要部となるWCM（ワイヤレスコントロールモジュール）の内部不具合の為、イグニッションキーを操作してもセキュリティが解除出来ず。
それによってもちろんエンジンは始動出来ず…ですが、交換が必要となるディーラー車用のWCMが既にメーカー廃盤＝入手不可状態。
上記理由によりディーラーでは修理不可能と宣告され、エンジンが始動できない状態なので廃車という末路。
WCM（ワイヤレスコントロールモジュール）はイグニッションキーシリンダーに装備され、挿入したキーのデーターを読み取り始動許可を判断します。
セキュリティの要となるWCMは、車両のVIN（シリアルナンバー）が登録されているので、他車に使用されていた中古部品は使用不可能。
今回持ち込まれた業者様も中古WCMを入手して取り付けてみたものの、他車で登録されているWCMなので接続した時点で応答拒否を行い、もちろん純正テスターを駆使してもセキュリティ解除は行えないのが常識。
今回の300Cはステアリングロックもされた状態で解除不能なので、持ち込まれた中古WCMがディーラー車用と並行車用の2種類あったので、並行車用の中古WCMを使用させていただくことに。
この「ディーラー車用」と「並行車用」の見た目の違いは、アンテナラインの端子があるか否か。（画像 左側/ディーラー車用 右側/並行車用）
そして何より格納されているデーターに大きな違いがあり、簡単に言ってしまえば「並行車用」にはステアリングロック（ELV）機能がデーター内に存在しないモジュールとなります。
その為、単にデーターの移植という方法では上手くクリアできないのですが、正常な中古並行用WCMのデーターを弄って現車と適合させることに成功した後は、セキュリティ解除が可能となりエンジン始動成功。
ロックして解除しないステアリングロック（ELV）は必要なくなるので取り外し、並行用WCMによるELV排除化にも成功。
＊ディーラー車ではステアリングロック（ELV）機能により、ELVが解除しないとセキュリティは解除せず始動不能。またELVは他と未結合状態のWCMとのみデーター結合可能。（ELV交換時は新品WCMとのみ結合可能）
この修理法はメーカーの定めるセキュリティの概念に反する内容となる為、全ての車両がスムーズに処置できるかは未だ未定な箇所も存在すると思われ、時間を要する場合があります。
また中古WCMの個別化解除により、メーカーで管理されているPINコードが使用するWCMに格納されているコードへと変更されます。
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