他の修理工場やディーラーでも修理できない…ということでUGへレッカーご入庫頂いた、エンジンが始動できなくなった2006yクライスラー300ツーリングです。
キーを挿入してスタート操作を行っても全くの無反応、コラムロックモジュールの内部故障が検知されている為、セキュリティが解除出来ていない状態です（メーター上で赤いLEDが点灯）
ディーラー車（EXPORTモデル）のクライスラー300には、並行車（USモデル）には装備されていない電子ステアリングロック機能が存在します。
先のDTCの示す「コラムロックモジュール」の内部不良は、この電子ステアリングロックであるELVの制御不良で、車両のセキュリティモジュールと同期している為、ELVの作動不具合が発生するとセキュリティが解除出来ず＝エンジン始動許可が下されません。
まだメーカーに部品在庫が存在する新品のELVを入手して、現車へ同期（プログラム）を試みるも、ELVだけでは不可能です。
WCM（ワイヤレスコントロールモジュール）と呼ばれるセキュリティの要となるキーシリンダーに装着されているモジュールも同時交換しなければELVは結合不可能。（WCMは他のELVとは結合できないので、ELV交換時には未結合WCM＝新品WCMも同時交換必要）
しかし、ディーラー車（EXPORTモデル）のWCMは既にメーカー廃盤の為、ディーラーを含む他の修理工場様では修理不可能という結論が下されている状態。
一般的にWCMは一旦車両へプログラムされると他の車両への使用は不可能な部品…ですが、UGでは「中古の並行用WCM」を使用して、内部データーの変更処置を施し異なる車両へのセキュリティ解除を可能に。
この特殊プログラムにて車体番号が移行され、現車のセキュリティモジュールと変貌してエンジン始動が可能となります。
先に述べた「並行用WCM」によるデーター変換なので、煩わしいELV機能も不要になり＝ステアリングコラムからコラムロックモジュールも取り外し、USモデル同様の仕様へと変更。
この修理法はメーカーの定めるセキュリティの概念に反する内容となる為、車両の状態/故障具合によっては時間を要する場合があります。
また中古WCMの個別化解除の場合、メーカーで管理されているPINコードが使用するWCMに格納されているコードへと変更されます。（部品のみの持込修理は厳禁、またセキュリティ修理の際は防犯上の理由により本人確認を必要とします）
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