ミッション修理にてお預かりしていた2013yダッジデュランゴ…ですが、エンジン始動時に時折りエンジンが始動しない症状が発生しているので、追加点検作業の実施です。
スタート操作を行うとスターターモーターは作動すれどエンジン始動せず、点検した結果はフューエルポンプリレー作動不良にて燃料供給されない状態。
この年式のデュランゴやグランドチェロキーでは、製造時の状態ではリレーボックス内にフューエルポンプリレーは存在していません。
エンジンルームに取り付けられているヒューズ/リレーボックスはTotally Integrated Power Module(TIPM)と呼ばれるCANで制御されるECUとなり、フューエルポンプリレー回路は新車製造時ではTIPMに内蔵されています。
しかしTIPM内蔵フューエルポンプリレー回路の不具合が多発し、後の2015y頃にセーフティリコール処置として「外部リレー」への配線変更処置が講じられます。
セーフティリコールR09の対策部品として供給されたOMRON製の外部設置フューエルポンプリレー…しかし近年、このOMRON製リレーの不具合が度々発生してきています。
それに伴って2021yより新たなフューエルポンプリレー回路に対するセーフティリコールV62がリリースされています。
以前にリコール救済策として取り付けていたOMRON製リレーは、リレー接点のシリコン汚染の影響を受けやすくリレーが故障する可能性があると発表されています。
セーフティリコールV62で新たにリリースされた改善対策リレーは、以前のものと異なり容量の大きなタイプへと変更されます。
もちろんリレー端子ハーネスも変更となるので、現車のTPIM廻りを分解して配線加工取付。
未だOMRON製リレーが取り付けられているWDやWKは、リレー不良による始動不能トラブルが多発してきているので要注意です。
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