ネットワークウイルスによるECUスリープ/ジープグランドチェロキー

シフトレバーが作動せず=Pポジションよりシフト操作が行えなくなった、2017yジープグランドチェロキーの診断です。

同時にパワーウインド等の室内装備電装品類も作動しなくなった模様で、エマージェンシーレバー操作にて車両を押して点検場所に移動してテスター診断の開始です。

 

早速wiTECHを接続してトポロジーツリーを確認すると、CAN IHSラインネットワークのECUが全てスリープしてしまっている状態(レッドカラーは通信喪失状態のECU)。

エアコンのユニットやドアモジュール等、室内系のECUが全て起動していないため、パワーウインド等の電装品も作動しない状態です。

 

このような状態に陥った原因としてで最も考えやすいのが、CAN IHSデーターラインに絡む何れかのECU(同一ネットワークラインのECU等)不良により、ネットワークウイルスをデーターライン送信/感染することによるECUスリープ症状

データーバスシステムはスターCANコネクターよりブロードキャストを行っているので、CAN IHSコネクターより順番に其々のツイストワイヤー端子を測定していきます。

 

すると、とあるツイストワイヤーラインよりノイズが発生しているのが判明し、そのラインを切り離すとパワーウインド等の作動が復活したのでウイルス発生源になっている箇所と断定できます。

 

このノイズが発生しているCANデーターラインは、本来現車のネットワークには存在していないDTVユニットのデーターライン(グレーカラーは車両構成に存在しないECU)で、それによってCAN IHSネットワークラインの全てのECUがスリープしてしまっていると判明。

 

先にも述べたようにDTVユニットのCAN IHSラインを切り離すことによって室内系のECU回路全てが復元…したのですが、エレクトリカルシフトモジュール(ESM)のみが未だスリープ状態継続。

 

ESMのモジュール電源を測定しても問題が無いので、ESM本体不良の可能性もありますが、電源測定する為にモジュール端子を切り離して再度接続するとESMも起動しシフト操作も正常復帰。

 

これにより車両構成上でのECU全てが復元しDTC検知も皆無、シフト不良と室内電装不良双方が同時に発生したという症状も考慮すると、DTVのデーターラインからのノイズ発生→その影響でネットワークラインに絡む室内系ECU及びESMが同時にスリープ。

その後のスターコネクターよりDTVデーターライン切り離しによって室内系ECUは復帰したけれども、ESMのみ一旦電源切断までしなければスリープ解除出来ないのでは無いか?という予測にて、暫く様子見が必要となります。

 

もうひとつ気になるところは、車両構成に存在しないDTVデーターラインの末端がどうなっているのか…例えば後装着品がDTVデーターラインに結線され、その不具合発生によりノイズ発生しているのかもしれません…。

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